ぼかしは透明水彩の華。混じりあう色のベールは天与のたまもの…と、運まかせの技法にみえますが、たった1つの基本ルールを押さえればコントロールできます。ぼかしの基本ルールと塗り方の手順をお伝えします。
ぼかしの基本ルール「絵具の濃度を順に濃くしていく」
なめらかなぼかしをつくるには、絵具の濃度(とろみ具合)がうすいものから、濃いものへ順にかさねます。あくまでも重要なのは絵具の濃度で、色は関係ありません。
基本ルールにそってきれいなぼかしを作る手順をご覧ください。
ぼかしの手順
まずは、ぼかしとは何かおさえておきます。
ぼかしとは、ウェット・イン・ウェットともよ呼ばれる水彩の技法です。日本画ではたらしこみとも呼ばれます。紙が濡れているうちに絵具をかさねてつくります。水彩ならではのやわらかいグラデーションが特徴です。
1) 水彩紙に水(または濃度のうすい絵具)をぬります。
2) 最初より濃度の濃い絵具をぬります。
3) さらに濃度の濃い絵具をかさねます。
4) より濃度の濃い絵具をかさねます。
5) 最後にいちばん濃度の濃い絵具をかさねます。
6) 絵具を乾かして完成です。
基本ルール通り順に濃度を濃くしていくと、それぞれの絵具が綿毛のようにきれいに広がります。色をかさねる手順は紙が濡れているあいだにすすめます。
ぼかしのカンタンな作品例
ぼかしが乾いた後に木の枝と幹を描きたして作品に仕上げました。
ぼかしは技法にすぎません。ぼかしの豊かさをどのように絵に生かすかが工夫のしどころです。
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