筋肉が上手に描けると人物にリアリティがでます。しかし筋肉はかたちが複雑なので描き方を身につけるのは大変です。効率よく筋肉の描き方を身につける手順と、参考になる本やサイトをご紹介します。
筋肉の描き方を身につける手順 4ステップ
複雑な筋肉ですが、段階的にステップをふむと効率よく描き方が身につけられます。ステップはそれごとに完結するのではなく、行きつ戻りつしながら進みます。
ステップ1 大まかな形をつかむ
はじめに筋肉の大まかな形をつかみます。形をつかむために人体モデルを活用します。ここでいう人体モデルとは、人体をかんたんな図形におきかえたもので、簡略化されているので骨格や筋肉がつかみやすいです。
人体モデルの描き方を一度おぼえてしまえば、バランスのとれた人物がラクに描けます。人体モデルのうち有名なのは、A.ルーミス「やさしい人物画」の人体模型です。著作権が切れているとのことでpdfファイルを配布しているサイトもあります。
ステップ2 細かい形をとらえる
次に筋肉の細かい形をとらえます。細かい形をとらえるため、ヌードを見てじっさいの筋肉を模写します。模写は、体の表面にあらわれる筋肉の質感や量感をとらえるため、デッサンがおすすめです。
じっさいにヌードモデルを依頼するのはむずかしいでしょうが、自分を撮影して描く、ポーズ写真集を利用する、ヌードのサイトを参考にするなどできます。
ヌードを模写してみると、あらためて筋肉を描くむずかしさを感じるでしょうが、ステップ3にすすめばそられしく描けるようになります。
ステップ3 筋肉の重なりを知る
つづいて筋肉がどのように重なり合っているかを知ります。重なりぐあいを確かめるために、筋肉モデルを参照します。筋肉モデルは、筋肉があらわになった人体モデルです。筋肉のようすが一目でわかるので、体の表面の凹凸がどの筋肉によるものか把握できます。
体表にあらわれる筋肉を知ったうえで、ステップ2に戻ってヌードを模写すれば、よりそれらしく描けます。
筋肉モデルは絵の練習支援サイト「ポーズマニアックス」が有名です。ポーズが豊富でアングルを左右に360度かえられます。
ステップ4 人体の構造を学ぶ
最後に人体の構造を学びます。人体の構造を学ぶと、知識がふかまって迷いやあいまいさがなくなります。骨や筋肉などの人体のつくりがわかれば、どんなポーズでも自在に描けるようになります。
人体の構造を学ぶのにおすすめなのは「アーティストのための美術解剖学」です。
「アーティストのための美術解剖学」については以下の記事をご覧ください。人体構造を学ぶ決定版としてご紹介しています。
以上、筋肉の描き方を身につける手順をお伝えしました。大まかな形をとらえてから、細部へうつっていくのが早道かと思います。逆になると、部分的に精密だけど全体のバランスがちぐはぐになる恐れがあります。筋肉の描き方を身につける参考になさってください。